上肢障害・頚肩腕障害: 手や腕の痛みだけではなく、めまい、耳鳴り、吐き気など様々な症状も

※発症の多い業種: スーパーレジ係、PC業務者、事務職、調理作業員など

手、前腕の痛み、肩こり、腕のだるさ、手背部の腱のはれ、痛みに悩んでいませんか?

ほとんどの場合、はじめは、上肢のどこか1ヶ所(たとえば、手首、肘、肩、頚)が痛くなります。上肢を使った反復動作など、負担のかかる動作を、許容を超えて繰り返すことによって腱鞘炎や、肘の炎症、手首の神経の圧迫症状などが発生したりします。

痛みの発生原因が、日常生活の範囲で生じる動作等にあるなら痛みの起きる動作を自分なりに控える工夫をするようにしましょう。

しかし、原因動作が、仕事で求められる作業にある場合、職場のマニュアル上で決められた作業手順、人手不足、納期やノルマに縛られ、痛くても急かされたり、繰り返し続けることが強いられるなど、思うようにコントロールが効かない状況が続いたりします。そのまま、我慢して痛みの動作を続けていくと、痛みの範囲が手から腕全体、肩、頚、頭、背中、半身、ときにもう片方の上肢にまで広がってしまったりします。併せて、目の疲れ、いらいら、不眠、めまい、耳鳴り、吐き気、嘔吐、視力障害、聴力障害、集中力がなくなる、物をおとす、字が書けない、手指がふるえる、物忘れ、うつ症状などを訴える人もいます。こうなると、痛みの刺激が繰り返し加わることによって痛みの悪循環が原因で自律神経系を含めた多彩な症状が現れる頚肩腕障害という難治な職業病の可能性もあります。

私たちは当たり前のように上肢(手指、腕、肩など)を使って生活していますが、業務に起因する上肢障害の発生はとても身近な問題です。上肢障害は、治療のために休業をして症状が軽減しても、復職し、痛みを感ずる同じ作業を再度行えば、再び以前同様の症状が強くなることが多いので一度、罹患するとやっかいです。

発症そのものを予防する職場での対策がより重要です。