2011年3・11東日本大震災は東北地方の太平洋沿岸部に甚大な被害をもたらしました。そして東京電力福島第一原子力発電所が全電源を喪失し原子炉が冷却不能状態になりました。その結果、原子炉1号機、2号機、3号機の核燃料がメルトダウンし、膨大な放射性物質が大気中や海洋に放出されました。福島第一原発事故の緊急作業に従事した約2万人の作業員は高線量の放射能の中で被ばくを受けながら懸命に事故収束にあたりました。

 事故発生から10年が経つ中で、放射線被ばくによる健康障害を発症する作業員が出ています。福島第一原発の事故収束作業に従事したあらかぶさん(通称)は、放射線被ばくにより白血病を発症し、労災認定されました。事故後、すでにあらかぶさんを含めて白血病3名、甲状腺がん2名、肺がん1名、咽頭がん2名の作業員が労災認定を受けています(2021年11月現在)。

 あらかぶさんは2015年11月、東京電力、九州電力を被告として損害賠償責任を問う裁判を提訴しました。私たちはあらかぶさんを支える会を結成し、裁判を支援しています。また毎年、被ばく労働問題に関連する省庁及び東京電力とも交渉を続けています。

 福島第一原発の事故収束・廃炉は、被ばく防護対策の徹底、作業員の長期間の健康管理体制の確立、健康被害への補償、待遇改善と雇用保障なくしてありえません。私たちは原発被ばく労働に従事する作業員のいのちと健康をまもり、権利を確立していくために、被ばく労働者の闘いを支援しています。

※あらかぶさんを支える会 https://sites.google.com/site/arakabushien/